企業戦士へ、
オンライン会議は、対面よりさらに発言しにくい。間が読めない。声が重なる。小さな枠の中にいるだけでは、存在感はゼロに近い。
言おうとした瞬間に、別の人と声がかぶる。お互いに譲り合って、気まずい沈黙。そのうち誰かが次の話を始める。カメラに向かって愛想笑いをしたまま、会議が終わる。くそーーーー。
でも、オンラインには対面にない武器がある。画面共有とチャットだ。使い方には型がある。
オンライン会議の英語は、対面より難しい
対面の会議なら、身を乗り出す、手を少し上げる、目を合わせる。それだけで「話したい」が伝わる。オンラインでは、それが全部消える。
しかも、音声は少し遅れて届く。相手が話し終わったと思って口を開くと、相手も続きを話し始めている。英語を聞き取るだけで精一杯のところに、このずれが加わる。発言のハードルは、対面より確実に高い。
だから、オンライン会議では、タイミングを読んでから話すのをやめるべし。先に一言で場所を取ってから、中身を話す。必要なのは、その一言が考える前に口から出る状態だ。
オンライン会議で使える英語フレーズは、3つずつ積み上げる
一覧を眺めて全部を一度に覚えようとしても、本番では1つも出てこない。今週の会議で使う3つを、反射で言えるまで唱える。来週、また3つ足す。
最初に鍛えるのは、存在感を作るこの3つだ。その下に、音声トラブルや遅刻の時の一言を足しておいた。
| 型 | フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 割り込む型 | Can I jump in here? | ここで入ってもいいですか? | 話に入るタイミングがつかめない時 |
| 見せる型 | Let me share my screen. | 画面を共有しますね | 口で説明するより早い時 |
| チャットで貢献する型 | I'll drop the link in the chat. | チャットにリンクを貼りますね | 資料や数字を補足したい時 |
| ミュートを知らせる型 | I think you're on mute. | ミュートになっていると思います | 相手の声が聞こえない時 |
| 聞き直す型 | Sorry, you cut out for a second. Could you say that again? | すみません、一瞬音声が途切れました。もう一度お願いできますか? | 音声が途切れた時 |
| 譲る型 | Sorry, go ahead. | すみません、お先にどうぞ | 声がかぶった時 |
| 遅れて入る型 | Sorry I'm late. Please carry on. | 遅れてすみません。そのまま続けてください | 途中から参加する時 |
オンライン会議で存在感を作る3つの型
1. "Can I jump in here?" 割り込む型
オンラインでは、身振りで「話したい」を伝えられない。声が重なると、お互いに譲り合って沈黙になる。先にこの一言を言えば、全員が止まって、あなたの番になる。
失礼な割り込みではない。英語の会議で普通に使われる、発言の予約だ。言ったら、間を空けずに中身を続ける。
Can I jump in here? I think the budget numbers on slide 3 are off.
(ここで入ってもいいですか?3枚目の予算の数字が違っていると思います)
2. "Let me share my screen." 見せる型
話すより、見せるほうが早い。画面を共有した瞬間、全員の視線があなたの資料に集まる。英語で長く説明しなくても、資料が話してくれる。
共有したら、"Can everyone see my screen?" と一言確認する。誰にも見えていない画面に向かって5分話し続けるのは、オンライン会議でよくある悲劇である。
Let me share my screen. This chart shows last month's sign-ups by region.
(画面を共有しますね。このグラフは、先月の地域別の登録数です)
3. "I'll drop the link in the chat." チャットで貢献する型
口で言い切れなかったことは、チャットで補えばいい。資料のリンク、数字、補足。書く英語なら、落ち着いて組み立てられる。会議の後に残るのも、チャットだ。
話すのが苦手な人ほど、チャットは味方になる。口で言えたのが一言だけでも、チャットに根拠を貼っておけば、その一言の重みが変わる。
I'll drop the link to the full report in the chat.
(レポート全体のリンクを、チャットに貼りますね)
オンライン会議の音声トラブルと遅刻で使う英語
オンライン会議には、対面にない事故がある。声が聞こえない。途切れる。かぶる。ここで黙ってしまうと、聞き取れていないまま会議が進む。トラブルの時の一言も、決まった形で言えばいい。
4. "I think you're on mute." ミュートを知らせる型
相手の口が動いているのに、声が聞こえない。オンライン会議で一番よくある場面だ。"You're on mute." だけでも通じるが、"I think" をつけると柔らかくなる。
Sorry, Mike, I think you're on mute. We can't hear you.
(すみません、マイク、ミュートになっていると思います。声が聞こえていません)
5. "Sorry, you cut out for a second." 聞き直す型
聞き取れなかった時、自分の英語力のせいだと思って黙る人は多い。オンラインなら、音声のせいにできる。実際、音声はよく途切れる。遠慮なく聞き直すべし。
Sorry, you cut out for a second. Could you say that again?
(すみません、一瞬音声が途切れました。もう一度お願いできますか?)
6. "Sorry, go ahead." 譲る型
声がかぶったら、まず譲る。ただし、譲りっぱなしにしない。相手が話し終わったら、"Can I jump in here?" で自分の番を取り返す。1と6は、セットで鍛えるべし。
Oh, sorry, go ahead. I'll jump in after you.
(あ、すみません、お先にどうぞ。そのあとで私も話します)
7. "Sorry I'm late. Please carry on." 遅れて入る型
前の会議が延びて、途中から入る。英語で長々と言い訳する必要はない。一言謝って、会議の流れを止めないことのほうが大事だ。
Sorry I'm late. My last meeting ran over. Please carry on.
(遅れてすみません。前の会議が延びてしまって。どうぞ、そのまま続けてください)
10分の英語筋トレメニュー
ここからが本番だ。読んだだけでは、オンライン会議で1ミリも出てこない。
- 存在感を作る3つの例文を、それぞれ声に出して30回。1文30回で3〜4分、3文で10分。朝、最初の会議の前に終わる。
- 名前と中身を、自分の案件に入れ替えた3文を書く。それも30回。
- 次のオンライン会議で、どれか1つを必ず使う。言えなかったら、その日の夜にもう30回。
もっと追い込みたい戦士へ。翌週は、トラブルと遅刻の4つから3つを選んで、同じメニューを回すべし。
ゴールは、覚えることではない。考える前に口が動く状態。英語が筋肉の一部になっている状態だ。
小さな枠の中でも、存在感は作れる
カメラの小さな枠の中で、黙ったまま会議が終わるのを待つ。あの1時間の虚しさは、英語で働く人なら誰でも知っている。
最初の "Can I jump in here?" は、心臓バクバクで言うことになる。それでいい。一度言えば、全員が止まってこちらを見る。その瞬間から、あなたはただの小さな枠ではなくなる。
筋肉は裏切らない。
会議で発言するための基本の型は、英語会議で使えるフレーズと筋トレにまとめた。
