企業戦士へ、
英語会議で、言いたいことはあるのに口から出てこない。気づいたら議題は次に進んでいる。会議が終わった帰り道、言いたかったことが全部英語で浮かんでくる。
なんで今なんだよ。くそーーーー。
私も、何度も味わってきた。英語が話せないまま外資に入り、Japan CFO との英語面接には、答えを全部英語で書き出した紙を握りしめて臨んだ。だから断言できる。英語会議で発言できるかどうかは、才能ではない。鍛え方の問題だ。
英語会議では、黙っている人は「いない人」になる
アメリカの会議では、黙ってうなずいていても、賛成とは受け取られない。意見がない人と受け取られる。いいことを考えていても、口に出さなければゼロ点だ。
日本の会議なら、よく聞いて、最後に要点だけ言う人が評価されることもある。英語の会議では、それはほぼ通用しない。発言した回数ではなく、その人がいたことで会議が前に進んだかどうかで見られている。
発言できないのは、英語力ではなく「反射」の問題
英語会議についていけない人の多くは、単語も文法も知っている。足りないのは、知っている英語が、考える前に口から出る状態だ。
頭の中で日本語で考える。英語に訳す。文を組み立てる。言っていいか迷う。この4段階を踏んでいる間に、議論は次に進む。
筋トレで言えば、フォームは本で読んで知っているのに、体が動かない状態。必要なのは知識を増やすことではなく、場面を絞って、型を体に入れることだ。
会議で使える英語フレーズは、3つずつ積み上げる
会議で使う基本フレーズは、発言する側も仕切る側も、それぞれ50個もない。ただ、フレーズ集を眺めて全部を一度に覚えようとしても、本番では1つも出てこない。
今週の会議で使う3つを、反射で言えるまで唱える。来週、また3つ足す。それを場面ごとに続けた分だけ、反射で出る型が増えていく。
最初に鍛えるのは、意見を一から組み立てなくても会議で貢献できる、この3つだ。
| 型 | フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 乗っかる型 | Can I build on that? | それに付け足してもいいですか? | 人の発言の直後 |
| 懸念を出す型 | One thing I'd flag is... | 一点、気になるのは… | 反対ではなく注意喚起したい時 |
| まとめる型 | So what I'm hearing is... Is that right? | つまり、…ということですね? | 議論が散らかった時、聞き取りに自信がない時 |
1. "Can I build on that?" 人の発言に乗っかる型
ゼロから意見を出さなくていい。前の人の話に一言足すだけで、貢献になる。割り込むタイミングがつかめない人ほど効く。話が一区切りしたところでこれを言い、そのまま自分の一言を続ける。
Can I build on that? We should test it with a few customers first, so we know the pricing works.
(付け足していいですか?まず数社の顧客で試して、価格が通用するか確かめるべきです)
2. "One thing I'd flag is..." 懸念を出す型
"I disagree" と言うと角が立つ。"flag" は「念のため共有しておきます」くらいの軽さで、反対ではなく注意喚起として受け取られる。日本人が得意な、細かいところに気づく力が、そのまま貢献に変わる。
One thing I'd flag is the timeline. If the design slips a week, we'll miss the launch date.
(一点気になるのはスケジュールです。デザインが1週間遅れたら、ローンチに間に合いません)
3. "So what I'm hearing is... Is that right?" まとめる型
議論が散らかってきたところで、これを言う。新しいアイデアがなくても、場を前に進めた人になれる。聞き取りに自信がない時の確認にも使える。一石二鳥である。
So what I'm hearing is we launch in March and move the price change to Q2. Is that right?
(つまり、3月にローンチして、価格改定は第2四半期に回す、ということですね?)
急に振られて頭が真っ白になった時の一言
"Kenji, what do you think?" 名前を呼ばれて、沈黙が5秒。英語の会議では、この5秒がとてつもなく長い。
黙っている5秒と、考えている5秒は違う。最初にこう言えばいい。
Good question. Let me think for a second.
(いい質問ですね。少し考えさせてください)
これで、沈黙が「考えている時間」に変わる。その数秒で、言うことを組み立てる。完璧な答えでなくていい。アメリカの会議では、6割の答えをすぐ出す人のほうが評価される。
10分の英語筋トレメニュー
ここからが本番だ。読んだだけでは、会議で1ミリも出てこない。
- 上の3つの例文を、それぞれ声に出して30回。1文30回で3〜4分、3文で10分。朝、家を出る前に終わる。
- 名前と中身を、自分の案件に入れ替えた3文を書く。それも30回。
- 次の会議で、どれか1つを必ず言う。言えなかったら、その日の夜にもう30回。
ゴールは、覚えることではない。考える前に口が動く状態。英語が筋肉の一部になっている状態だ。
最初の一言が、一番重い
初めて会議で "Can I build on that?" が口から出た日のことは、たぶん一生忘れない。何を話したかは覚えていなくても、帰り道の景色は変わって見える。
すぐには上手くならない。毎回、悔しい思いをする。でも、回数を重ねた分だけ、確実に前に進む。
筋肉は裏切らない。
会議を仕切る側の英語は、英語会議の進行フレーズにまとめた。
