企業戦士へ、
英語の会議で、明らかに筋の悪い案が通りそうになっている。反対したい。でも "I disagree" はきつすぎる気がする。言葉を選んでいるうちに、"Great, let's go with that." で決まってしまう。
会議の後、同僚に「実は反対だった」と言っても、もう遅い。めちゃくちゃ悔しい。
英語の会議では、反対意見を言える人が信頼される
アメリカの会議では、黙ってうなずいていても、賛成とは受け取られない。意見がない人と受け取られる。反対意見を言える人のほうが、ちゃんと考えている人として見られる。
日本の職場では、会議で反対すると空気を壊す人になりがちだ。英語の会議では逆で、その場で反対を言わずに後から文句を言う人のほうが、信頼を失う。
日本人は「遠回しすぎて伝わらない」でしくじる
英語で反対するのは怖い。強く言いすぎて空気を壊すか、遠回しすぎて伝わらないか。日本人はだいたい後者でしくじる。
"That's an interesting idea..." と言って、続きを濁す。本人は反対したつもりでも、相手には賛成に聞こえている。やんわり言うことと、ぼかすことは違う。
必要なのは、柔らかいけれど、反対だとはっきり伝わる言い方だ。それを強さ別に、型として体に入れておく。
I disagree の言い換え:反対意見の英語を強さ別に並べる
反対や懸念を伝える英語は、ここに挙げるものより多い。全部を一度に覚えようとしても、本番では出てこない。最初に鍛える3つを反射で言えるまで唱えて、次の3つを足す。3つずつ積み上げるべし。
最初に鍛えるのは、表の太字の3つだ。
| 強さ | フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 弱 | Have we considered...? | …は検討しましたか? | 反対の前に、見落としを指摘したい時 |
| 弱 | I see your point, but... | おっしゃることはわかりますが… | 相手の意見を受け止めてから反対する時 |
| 中 | I see it a little differently. | 私は少し違う見方をしています | やんわり、でもはっきり反対する時 |
| 中 | Let me play devil's advocate for a second. | あえて反対の立場で言うと… | 上司の案に穴を見つけた時 |
| 中 | My concern is... | 私が気になっているのは… | 引っかかる点を一つに絞って言う時 |
| 強 | I'm not sure I agree, and here's why. | 賛成しかねます。理由はこうです | ここぞという時 |
1. "I see it a little differently." やんわり反対する型
"I disagree" より柔らかく、でも反対だとはっきり伝わる。"a little" がクッションになる。言ったら、すぐに理由を続ける。理由がないと、ただの好みに聞こえる。
I see it a little differently. Our customers care more about price than speed.
(私は少し違う見方をしています。うちの顧客は、スピードより価格を気にしています)
2. "Let me play devil's advocate for a second." あえて逆を言う型
自分の意見としてではなく、「あえて」の役として反対できる。相手のメンツを潰さない。上司の案に穴を見つけた時に効く。
"devil's advocate" は、議論を深めるために、わざと反対側に立つ人のこと。英語の会議ではよく使われる言い方なので、聞いた側も身構えない。
Let me play devil's advocate for a second. What if the competitor cuts their price next month?
(あえて反対の立場で言うと、競合が来月値下げしてきたらどうしますか?)
3. "I'm not sure I agree, and here's why." 正面から反対する型
"I'm not sure" で一段柔らかくして、"here's why" で理由に入る。理由を言うと先に宣言しているので、感情的な反対に聞こえない。ここぞという時に使う。
I'm not sure I agree, and here's why. We tried a similar campaign last year, and it didn't move sales.
(賛成しかねます。理由は、去年似たキャンペーンをやって、売上が動かなかったからです)
反対意見の英語、次に足す3つ
3つが反射で出るようになったら、次はこれを足す。反対の強さを、もう一段細かく調整できるようになる。
4. "I see your point, but..." 受け止めてから反対する型
相手の意見をいったん受け止めてから、反対に入る。"but" の後が本題なので、そこははっきり言う。
I see your point, but adding more features now will push the launch to next year.
(おっしゃることはわかりますが、今機能を増やすと、ローンチが来年にずれ込みます)
5. "Have we considered...?" 質問で反対する型
反対とは言わずに、見落としを質問の形で指摘する。相手が自分で気づく形になるので、一番角が立たない。
Have we considered how this will affect the support team? They're already two people short.
(サポートチームへの影響は検討しましたか?すでに2人足りていない状態です)
6. "My concern is..." 懸念を具体的に言う型
何が引っかかっているのかを、一点に絞って言う。案そのものを否定せず、問題の部分だけを指せる。
My concern is the budget. This plan assumes we get the full amount in Q1.
(私が気になっているのは予算です。この計画は、第1四半期に満額もらえる前提になっています)
10分の英語筋トレメニュー
ここからが本番だ。読んだだけでは、反対したい瞬間に1ミリも出てこない。
- 最初の3つの例文を、それぞれ声に出して30回。1文30回で3〜4分、3文で10分。朝、家を出る前に終わる。
- 名前と中身を、自分の案件に入れ替えた3文を書く。それも30回。
- 次の会議で、どれか1つを必ず言う。言えなかったら、その日の夜にもう30回。
反対したい瞬間は、たいてい急にやってくる。そこで言葉を選んでいたら、もう間に合わない。考える前に口が動く状態。英語が筋肉の一部になっている状態まで、唱えるべし。
上手に反対できる人は、信頼される
初めて会議で反対した時は、言った後に心臓バクバクで、相手の顔が見られないかもしれない。それでいい。理由をつけて反対した人は、ちゃんと考えている人として覚えられる。
上手に反対できる人は、信頼される。
筋肉は裏切らない。
反対ではなく、自分から案を出したい時の英語は、会議で提案する英語フレーズにまとめた。
