企業戦士へ、
英語会議の司会進行は、英語ができる人の仕事だと思っていないだろうか。
実は逆だ。英語の会議で一番ラクなのは、仕切る側である。話の流れを自分で決められるので、急に振られて固まることもない。言うことも、ほぼ決まっている。
だから、英語に自信がない人ほど、自分から会議のオーナーを引き受けるべし。小さな定例でいい。
英語会議の進行がラクな3つの理由
- 流れを自分で決められる。 議題も順番も自分で決めるので、次に何が起きるか分かっている。準備もできる。
- 言うことが決まっている。 始める、戻す、振る、決める、締める。進行で使うフレーズは、50個もない。
- 評価される。 アメリカの会議で一番評価されるのは、議論が回っている時に出口を作る人だ。英語の流暢さより、会議が前に進んだかどうかで見られている。
英語会議の進行フレーズ一覧
| 場面 | フレーズ | 意味 |
|---|---|---|
| 始める | Let's get started. | 始めましょう |
| 目的を言う | The goal of today's meeting is to... | 今日の会議のゴールは… |
| 終わりの形を言う | By the end of this call, we should have... | この会議が終わるまでに…を決めたいです |
| 保留にする | Let's park that for now. | それは一旦置いておきましょう |
| 場外に出す | Can we take that offline? | それは会議の後で話しませんか? |
| 時間で戻す | We have 10 minutes left, so let's focus on... | 残り10分なので、…に集中しましょう |
| 名指しで振る | Kenji, what's your take? | ケンジ、どう思う? |
| 全体に開く | I'd like to hear from people who haven't spoken yet. | まだ発言していない人の意見も聞きたいです |
| 反対を引き出す | Does anyone see it differently? | 違う見方の人はいますか? |
| 決める | Unless anyone objects, let's go with option B. | 反対がなければ、B案でいきましょう |
| 締める | I'll send a recap by end of day. | 今日中に、まとめを送ります |
1. 会議を始める:最初の1分で主導権が決まる
アメリカの会議は雑談から入る。それ自体はいい。ただ、オーナーが区切らないと、いつまでも始まらない。開始時刻を1〜2分過ぎたら、区切る。
Let's get started. Thanks, everyone, for making the time.
The goal of today's meeting is to choose a vendor for the new CRM.
By the end of this call, we should have a decision and an owner for the contract.
何のための会議か、何が決まれば成功かを最初に言葉にする。これがあるだけで、脱線した時に戻る場所ができる。終わりが見えている会議は、時間通りに終わる。
2. 脱線を戻す:止めるのは失礼ではない
英語の会議は、とにかく脱線する。日本人は人の話を遮るのが苦手だが、アメリカでは、止めないオーナーのほうが「仕切れない人」と見られる。
- Let's park that for now. 却下ではなく保留。言い出した人のメンツを潰さない。メモに残して、最後に戻る。
- Can we take that offline? 2人だけで盛り上がっている話に、全員の時間はいらない。"offline" は「この会議の外で」という意味。
- We have 10 minutes left, so let's focus on... 残り時間を口に出すと、人は自然に本題に戻る。誰も名指ししないので、角が立たない。
話を止めるのは失礼ではない。参加者全員の時間を守っているだけだ。
3. 意見を引き出す:ここは日本人が強い
放っておくと、発言するのはいつも同じ2〜3人。全員から意見を引き出すのも、オーナーの仕事だ。そして、ここは日本人が強い。会議で黙ってしまう人の気持ちが、誰よりもわかるからだ。
人に振る時は、名前を先に言う。名前を呼ばれた瞬間に、相手は答える準備ができる。質問のあとに名前を言うと、急に振られて固まる人を作ってしまう。
Kenji, you've worked with this client the longest. What's your take?
"Any questions?" と聞いても、だいたい沈黙で終わる。"Does anyone see it differently?" と聞くと、反対していいという合図になる。会議の後で「実は反対だった」と言われるより、会議の中で出してもらう方がいい。
4. 決める:全員の賛成は待たない
「また来週話しましょう」で終わる会議は、参加者全員の1時間を捨てているのと同じだ。
We've heard all the options. Let's make a call on this today.
Unless anyone objects, let's go with option B and revisit it in a month.
反対する機会を渡したうえで決めるので、強引に聞こえない。全員の合意を待っていると、英語の会議ではいつまでも決まらない。
5. 締める:まとめを送った時点で、会議が成果になる
Thanks, everyone. I'll send a recap with owners and deadlines by end of day.
決めたことを、その日のうちに文字に残す。担当と期限も書く。これで「言った、言わない」がなくなる。しかも、メールなら英語をゆっくり書ける。
10分の英語筋トレメニュー:最初の1分の台本
- 上の「始める」の3文を、それぞれ声に出して30回。3文で10分。
- 次に自分が主催する会議の名前と目的を入れて、自分用の3文を書く。それも30回。
- その会議の最初の1分で、3つ全部を言う。主催する会議がなければ、作る。
言うことが決まっていれば、英語会議の司会は怖くない。仕切る側に回ると、英語の会議はぐっとラクになる。
筋肉は裏切らない。
会議で発言する側の英語は、英語会議で使えるフレーズと筋トレにまとめた。
